「ロアン・デミトリッヒ!私は帰ってくるぞ!必ず!!!」
皆様、ようこそお越し下さいました。
今回ご紹介するのは
「魂SPEC x HI-METAL R ザカール」
であります。
ザカールは1985年10月から始まった
ロボットアニメ「蒼き流星SPTレイズナー」
第27話より登場した
敵SPT(スーパーパワードトレーサー)で
搭乗パイロットは敵グラドス軍の
グレスコ提督の息子「ル・カイン」
「蒼き流星SPTレイズナー」は
大別すると第1話から第25話までの第一部と
第26話から第38話までの放送が延長された
第二部とに分ける事が出来ます。
第一部は過去のレビューで
魂SPEC x HI-METALのニューレイズナー
の時にも書かせて頂きましたが、
地球侵略を狙うグラドス軍に対し、
それを阻止する為にグラドス軍を抜け出し
一人でグラドス軍に立ち向かい、
地球に危機を知らせようとする、
地球人とグラドス人の混血児である
主人公エイジとグラドス軍の戦渦に
巻き込まれた火星基地へ体験入学に来ていた
コズミックカルチャークラブの生徒達6人の
地球帰還までの絶望の道のりを描いた
ストーリーでした。
第25話の第一部の総集編を挟んで
始まった第26話からの第二部では
地球侵略を許し、グラドス軍に支配されて
しまった第一部から三年の年月が経過した
地球が舞台となりました。
体験学校の生徒でエイジにほのかな恋を
抱いていたアンナは17歳になっていました。
第一部の最後、巨大なグラドス軍の勢力に
一人レイズナーで立ち向かっていった
エイジはその後、生死も判らないまま
消息不明となっていました。
グラドス軍に支配された地球は三年の間に
すっかり荒廃してしまい、
一部の地球人以外は全てグラドス人の
奴隷となりこれまでの地球人の育んだ文化や
歴史に関わる書物は全て焼き払われ、逆らう
者は即処刑と言う世の中になっていました。
そんな中でも過去にエイジと共に地球に
帰還した体験学校の生徒の一人デビット達
少数の地球人はグラドスへの反乱分子として
レジスタンス活動をしていましたが
戦力はあまりにも微弱なもので、
とうとうデビットとアンナはグラドス軍に
捕らえられ、公開処刑されそうになります。
そこへ突如現れたのが密かに
デビットやアンナ達の居る街に
入り込んでいたエイジでした。
エイジはレイズナーと共に現れ
デビットとアンナを救出しました。
再会に喜ぶデビットとアンナ。
こんな感じでスタートした第二部でしたね。
レイズナーファンが皆、
「北斗の拳となった第二部」と言うように
まさしくレイズナー第二部は
世界感やキャラクターのコスチューム、
スラム街的なBGM等、まさしく北斗の拳
まんまと言う感じでしたがファン心理として
エイジに対するアンナの恋心が
第一部の時よりも少し強調される
展開になったので、二人の恋の進展具合も
気になる所ではありました。
ここまで書いてまだ今回のメインである
ル・カインやらザカールが
全く登場していませんね・・・・・
失礼致しました。
ル・カインが登場するのは
エイジとアンナ達が再会した次の回、
第27話「華麗なるル・カイン」からでした。
ル・カインはグラドス軍が地球侵略を
完了した後にグラドス星から
地球占領軍司令官としてグラドス軍の勢力を
さらに強く支配力をさらに高める為に
送り込まれてきました。
ルカインは優れた人種=グラドス人、
民衆(地球人)は優れた者に支配されるべき
と言う極度のグラドス至上主義者で
ル・カインが登場した事によりグラドス軍の
地球人への支配力がさらに強くなった。
そんなル・カイン率いる支配力の強めた
グラドス軍とエイジと共に反乱を起こす
デビット、アンナ、シモーヌ達
地球人との交戦を描いた
レイズナーの第二部の展開。
個人的には火星から地球までの帰還を描いた
第一部の話の方が展開は好きでしたが
二部は二部で十分面白かったと思います。
今回のレビューの中心、SPTザカールは
グラドス軍の最強のSPTとして第27話に
ル・カインの専用機として登場します。
しかし、当面目立った活躍はないまま
ラスト二話、37話「エイジ対ル・カイン」
で一気に活躍の場を見せます。
これまで登場したSPTの中でV-MAX機能を
搭載した機体と言うのはレイズナー一機だけ
でしたがこのザカールにもV-MAX機能が
搭載されています。
しかし、第37話までパイロットである
ル・カイン自身、V-MAXが搭載されている
事を知らされていませんでした。
何故か・・・それはV-MAXとは
「第1級軍事機密」だったからです。
エイジもレイズナーに搭載されている
V-MAXの事は当然グラドス軍からは
知らされておらず、物語の複線で
知る事になったようにV-MAXはグラドス軍の
中でも開発に携わったごく一部の者しか
存在を知らなかったのです。
何故V-MAXをこれまで極秘機密で
広く活用してこなかったのか・・・
まだ実用段階では無いからでした。
一番の理由はパイロットが育たない。
V-MAXの性能に耐えうる強化兵士の育成は
行ってきたもののテストパイロットは軒並み
訓練中に死亡しておりV-MAXをコントロール
出来るパイロットが居なかった。
またV-MAXを必要とする事態も
存在しなかった事等からV-MAXはある種、
封印状態となっていました。
ザカールに搭載されているV-MAXは
レイズナーに搭載されている物より
強力な物で通常V-MAXからさらに性能が
15%増幅される「レッドパワー」
と呼ばれる機能が使えます。
これにより第37話でレイズナーとの対決で
ザカールはV-MAXレッドパワーの圧倒的な
性能差でレイズナーを大破させます。
戦闘不能に陥ったレイズナー。
レイズナーの秘密をエイジから
聞き出そうするル・カイン。
しかし次の瞬間カルラ達ル・カインの部下が
レイズナーにとどめを刺そうと
攻撃を開始します。
レイズナーを倒しに群がってきた部下達に
ル・カインは
「手出しをすれば、死ぬものと思え!」
と言い放ち、まさしく上の写真のシーンを
最後に第37話は終了します。
本来なら続きが最終回である第38話で
描かれる筈だったと思いますが、ここで
「蒼き流星SPTレイズナー」と言う作品で
永遠に語られる事になるであろう
最終回のドタバタ劇が有ったのであります。
最終話「歪む宇宙」が始まると
前回37話とは全く繋がらない
展開で話が進んで行きます。
前回ボロボロに大破させられたレイズナーは
何故か前回のザカール戦がまるで
夢だったかのように無傷でピンピンしており
まだ開発途中だった筈の地球製SPTが既に
完成量産されておりグラドスの刻印を守る
地球軍とグラドス軍との交戦する所から
話がスタートし出しました。
当時私もこの最終回を
リアルタイムで視聴しており、
一体何が起こっているのか?、
前回から話数を見逃してしまっているのか?
最終回の展開についていけないまま
レイズナーは終わってしまいました。
エイジは一体死んだのか、生きているのかも
描かれずレイズナーが地球に帰還するシーン
を最後にレイズナーは終わりました。
当時この最終回を観た私を含めた視聴者は、
最終回に何が起きたのか、
相当面食らった事でしょう。
裏事情としては製作側で最終回間際かなりの
ドタバタ劇が有った事が判りました。
当時レイズナーの視聴率は10%前後は
保っていて人気は有ったようですが・・
まずは当時スポンサーだったサンヨーが
石油ファンヒーター一酸化炭素中毒事故
によりスポンサーを降板、
さらにメインスポンサーのバンダイの
プラモデルの売れ行き不振等が重なり、
残念ながら「蒼き流星SPTレイズナー」は
第38話で急遽終了が決定してしまいますが、
その決定が最終話放送の何と2週間前
だったと言う事で途中の話を省略して
いきなり最終回を詰め込むような苦肉の策で
編集するしかなく、第37話と最終回が
全く繋がらないイビツな最終回と
なってしまったのです。
なので37話で大破したレイズナーと
最終回に登場したNEWレイズナーが
デザインが殆ど一緒だったので別物だと
気付いた人等、当時誰も
居なかったのではないでしょうか?
そんなスッキリしない最終回で
終わってしまったレイズナーは
視聴者はもちろん、製作サイドもこのまま
滅茶苦茶な状態では終われないと言う事で
1986年10月にOVA発売と言う形で
発売されました。
第37話以降の穴埋めと最終回の補足映像が
追加されました。
主にザカールに大破したレイズナーから、
既にスタンバイしてあった
地球製の強化型NEWレイズナーに
レイとフォロンを乗せ替えるエピソード。
アンナのナレーションによって語られる
グラドス人と地球人が元々同種であった事の
解説とグラドスの刻印の役割。
そして宇宙に飛ばされたグラドスの刻印内
でのエイジ、ジュリア、ル・カインの
やりとりのシーン追加。
さらにレイズナーが地球に帰還する
最後のシーンがより詳細に描かれ、
最終回ではエイジの生存が不明確だった
点が、エイジは無事生きており
レイズナーに乗って地球に帰還、
そして最終回では描かれなかった
地球に帰還したレイズナーを迎える仲間と、
レイズナーから降りてきたエイジを
抱きしめるアンナ、そして最後は二人が
キスをしてエンディングを迎え、
観てる視聴者も「これなら納得。」
と言える形で締めくくる事が出来た
「蒼き流星SPTレイズナー」となりました。
まさか、あのグダグダで無茶苦茶な最終回を
最後に、OVA「ACTⅢ刻印2000」の存在を
知らずレイズナーを観終えてるような
ファンの人等、存在していないとは
思いますが、もしそのような人が
存在しているのならば、
早急にOVAをご覧ください(笑)
そうそう、レイズナーMK-Ⅱの話に
触れていなかったですね。
レイズナーは本来、24回で終了する予定
だったものが2クール延長が決定され
52話までの予定でした。
そして第40話から登場予定だったのが
レイズナーMK-Ⅱでした。
既にデザインは当時のアニメ関連各誌で公表
もされており登場が期待されていましたが、
4クール目の中止が決定してしまった為に
残念ながら幻のSPTとなってしまいました。
幻となってしまったがゆえ、
よけいに人気が出てしまい立体物もその後
多く発売され、魂SPECでも登場しています。
「蒼き流星SPTレイズナー」のファンとして
4クール目のレイズナーの物語と、
レイズナーMK-Ⅱの活躍を
是非観てみたかったと思います。
最後に余談なんですが、当時アニメ関連の
ラジオを聴いて覚えている事なんですが、
レイズナーの放送が開始される前の
企画段階で、レイズナーの新番組案内で
ラジオからパーソナリティが語っていた
内容に敵グラドス軍の事を「テグズス軍」
と言っていたと記憶しているんですよ。
またグラドスと言う名称が
決定していなかったんでしょう。
ネットでググッてもそういった逸話が
全く見当たらないんですが確かにグラドスの
事を「テグズス」と言っていたんですよ、
覚えている方おられませんかね~。
さて今回も長い雑談になってしまいましたが
そろそろ後半戦、HI-METAL R ザカールの
レビューをしていきましょう。
「魂SPEC x HI-METAL R ザカール」
魂ウェブ商店 受注予約商品
2020年10月26日発送
価格:税込み15950円
2020年11月に当ブログで更新した2つの
レイズナーレビュー、お蔭様で大変多くの
方にご覧頂いておりまして
人気記事ランキングでも常に上位に
ランクインしておりまして私の想像以上に
レイズナー人気って相当凄いんだな〜と
実感させられております。
ですので今回のザカールレビューも
相当気合入れて臨んでいるですが
全身メッキ処理のこのザカール、
やはり相当クセモノでした。
とにかく全身メッキと言う奴は扱いにくい、
今回の撮影では全てタクシー運転手が
するような白手袋をはめて
撮影したので指紋に関しては問題無しです。
あとメッキ物を素手で触ってそのまま
放っておくと皮脂から腐食してきてメッキが
輝きを失うので、とにかくメッキを触る時は
必ず手袋、素手で触った後は必ず拭き取る。
これを皆さんも気をつけて心がけましょう。
しかしメッキと言うのは
他にもやっかいな点が多数有りまして、
今回のザカールでも色々と苦労しましたが
一番やっかいだったのがホコリです。
メッキと言う奴はホコリが付き易い
のでしょうか撮影したザカールの写真を
見るとホコリの付着が超目立つんです。
撮影中もホコリを除去するのが大変でしたが
出来上がった写真を見てみると、
除去出来ていないホコリが
まだまだ大量に付着していました。
仕方なく画像処理で目立つホコリだけでも
消す作業をするのですが、これがまた超大変
で普段のペースだと土曜日の深夜から
日曜日の早朝には新しいレビュー記事を
書き上げている頃なんですが何と今回の
ザカールに関しては日曜日の早朝まで画像の
ホコリ除去作業がかかってしまいました。
何せ最近のレビューに使う写真は大体150枚
程度撮影した中から100枚程度を候補を
選んで、今回のザカールも候補に残った
約90枚程の写真を1枚1枚チェックして
処理しましたから。
メッキと言う奴は表面に付いたホコリが
本当に目立つので画像処理では取りきれない
細かいホコリは良く見ると
無数に発見出来ると思いますが
ま~その辺は大目にみてやってください。
メッキの苦労話はこの辺にして
本体を見て行きましょう。
去年の11月にレビューした同じHI-METAL Rの
NEWレイズナーは基本設計が2007年と言う
事で古い部分と新規の部分がチグハグに
感じた点が有ったんですが、
今回のザカールは完全新規造型による
オールニューの製品での登場です。
レイズナーと比較するとこんな感じです。↑
レイズナーでは「コレはちょっと・・・」
と感じた点として大きかったのが
背面から見た時に目立ったビスです。
しかし今回のザカールはさすが最新設計で
ビスやビス穴は背面からも確認出来ません。
可動にしても各関節がしっかりと
保持力があって絶妙の硬さが有り、
可動範囲も十分広くて不満はありません。
しかしこのザカール、手にとって感じる点
としては正直、「あまりカッコ良くないな」
と感じてしまいます。
撮影した写真を見ても個人的には
「あまり決まらないな」
と感じてしまうんですよね。
何故か・・・このザカール、恐らく
設定資料をかなり忠実に再現していると
思うんですが、忠実すぎて立体にした時には
あまりカッコ良さを感じにくい
デザインなのかな~と感じました。
まず顔面ですが、帽子のツバが大きすぎて
正面から顔面を見ると眼が見えません。
今回の撮影でも何とか眼が映るように
工夫したんですがTVのあのシーンでは眼が
しっかり描かれているのに同じように
再現しても完全に眼が隠れるんです。
代表的なシーンがコレですね。↓
やむなくカメラをもっと下げてもう少し
左に回りこんで
何とか眼がうっすら映るかなって感じです。↓
正直、もう少しキャノピーの先端が短くても
良かったのではないかと思いますね。
普通に正面立ちさせても
絶対に眼は見えませんからね。↓
忠実に再現しすぎた点としては
プロポーションにも少し感じます。
具体的には動体が短く感じてあまり
スマートでカッコ良く見えないんですよ。
ザカールってあまり
カッコ良く無かったんだな~とHI-METAL R版
を手にして感じてしまいました。
全身メッキに関してはカッコ良いと
感じるんですがプロポーション的には
頭大きく胴体が短く、何となく
子供体型なんですよね。
でもこれはレイズナーでも感じます。
同じHI-METAL Rレイズナーも
同じ事が言えるんですがレイズナーも
多少プロポーション修正して販売した
去年11月にレビューしたR3レイズナー位の
プロポーションがカッコ良く感じます。
過去にガレージキット等で販売されていた
ザカールの立体物とかで凄くカッコ良かった
物も有ったのでSPTは立体するにあたって、
多少はスマートにデフォルメした方が
良かったのではないかと個人的に思います。
形がストレート過ぎて、
何かプラモデルみたいなんですよね。
15000円もするプレミアム感を
形からはあまり感じません。
ズッシリ感や関節のしっかり感、全身メッキ
の豪華さはもちろん有るんですけど。
そして最後に突っ込みたい所が付属している
ル・カインのフィギュアです。
コレです↓
着座ポーズと立ちポーズの2種類が
付属しているのはいいんですが、特に立ち姿
ですがハッキリ言って出来が悪いです。
恐らく↑のシーンを再現出来るようにと
付属したんでしょうが出来が悪すぎて
再現には少々無理が有る感じです。
着座ポーズの物はキャノピーを閉じれば
殆ど目立たないので良いんですけどね。
フィギュアの完成度はもう少し
高めてほしかったと感じますし
シーン再現させるにも全然顔の横で
固定してくれない。
フィギュアの足に固定用の差込み造型が
されていますけど、いざザカールに
取り付けても全然安定しません。
結局今回の撮影では両面テープで
くっつけました。
ま~そんな訳でご紹介してきました
HI-METAL Rのザカールでしたけど、
正直良い所よりも気になった所が
多く感じた製品となりました。
とにかく全身メッキの製品なので長く
良い状態を保つ為には
取り扱いだけは要注意の製品ですね。
HI-METAL Rのレイズナーとザカールの
両方買うとレイズナーに付属していた
スリーブにザカールも入れる事が出来て
ファンにはちょっと嬉しいですね。
最後にR3レイズナーと絡ませてみました。
やはりR3レイズナー位のスタイルの方が
レイズナーもかっこ良いと思いますね。
皆さんはどう思いますか?
今回のザカールのレビューは写真の
ホコリ除去にかなりの時間がかかった為、
本日の日曜日は一日中記事を書く事になり
次回分の撮影が出来ませんでしたので、
次回はGET2月号になると思います。
それではまた!!!